ひよの嬢の

 

 

 

 

 

 

 

 ひよの嬢最強説囁かれて、すでに幾星霜って感じですが、今更ながら彼女について考えてみようと思う。

 当初、彼女がどんな役割だったかというと、

 (まあ、コミックの初めの方を引っ張り出して来て見てくださいな…)

 あゆ君にインタビューしに来た、謎の女子高生だったわけですよ。

 好奇心旺盛で、にっこり笑顔。殺人の容疑者相手に、マイクと例の手帳持ってさ。

容疑者として疑われている歩に、堂々と「人を殺した感想」なんぞを聞きに来ちゃった、学園全体を恐れさせる変り種

 

 

 

 それが、当初の彼女だったわけです。

 

 

 そんな彼女、段段巻が進むごとにグレードアップ

 警察の内部資料みたいなのを手に入れてみたり、(スパイラル小説版の方では、その情報を売ってみたり、)歩に発信機を付けてみたり、実は鉄砲の腕が亮子ちゃんに「いい腕してるね」と褒められる程だったり(カノン編当初)。

 

 謎さが常にグレードアップし続ける彼女だが、彼女の最も謎な部分とは(あるいはそれが彼女最大の魅力なのであるが)、「」だと思う。

 つまり、「何故だか知っている」ということ。

 

 

 

 例えば、論理側の人間・理緒さえ悔しがらせる台詞。

「胸を張って勝ち誇らせはしません!」や

「男の子は這い上がる距離が長ければ長いほど〜」。

「私が人質になった方が気合が入るでしょ?」とか。

 

「弱いのは貴方です」

「〜通れはしません」云々。

 カノン君に強気に言い放ったあの一言も、そう。

 ちなみに、浅月に言ってる

「でも、理緒さんは違うでしょ?」(理緒vs歩・後)

 あれだって、全てはの域を出ないものです。

 

 

 

 

理緒なんかは、その辺りのひよの嬢の素晴らしい勘を、彼女が「信じるものだから幸福なんだと言ってるけどさ。(論理とかそんなのはうっちゃって)ただ信じているから、あそこまで強気なんだって。

 

 

ちなみにさ、ひよの嬢は、基本的に論理の人ではない。

論理っつーか、例えば目の前に問題出されて、それを数学的に証明したり、論証したりって、そんなのではない。

そういうのをするためには、絡まった事件を解くためには、例えば歩みたいに色々な雑学を知っている必要があって、ひよの嬢の持っている情報は、基本的にそういうものではない。

確かに彼女の武器であるインターネットで検索すれば、どれも乗っている知識だけどさ。ネット上にはあっても、「その前にそのことを知らなきゃ調べられないでしょ」ってのが、ネット系の痛いところ。

…検索の箱の中に、何か文字を打ち込まなきゃ調べられないでしょ?

 

 

つまり、インターネット上の情報ってのは、然るべき手段を持って、時間お金意思さえあれば、調べられなくはない代物なんだよね。

 

 

 

それに加えて、ひよの嬢は独自の情報網を持っている。

例えば、実際に知り合いの警察官(和田矢とか)を脅したり、他の学園内の人間を脅したり、あるいは校外の人間を脅したり…。

(…脅してばっかやな(汗))

それらの情報網の、インターネットとの一番大きな違いは、人に会うということ。

実際、人に会うことのメリットっていうと、幾つかあるよね。

A.信頼性

B.話の聞きだし具合によっては、別の情報を思い出してくれる。

 (インターネットでは、あり得ないよね。書かれていることしか見れないから)

C.情報提供者について観察できる。

 (話してくれる事柄以外にも、視覚的・感覚的に判断できる情報が得られる)

 

…とまあ、こういうのがあるわけですが。

 

 

 

 

一口で言えば、全ては人間観察の賜物なわけですよ。つまりはね。人を観察して、相手を理解する能力に長けているからこそ、相手に会うことに意味がある。

無けりゃ、インターネットと一緒さ。

ひよの嬢は、それについては、相当能力値が高いといって間違いないだろう。

 

一方で、観察するだけじゃわからないことってあるよね。

上の方で出した「例えば」の中で言うと、

 

 

「男の子は這い上がる距離が長ければ〜(略)」。

 

 

 

(対浅月への「でも、理緒さんは〜」は人間観察だし。カノン版の「弱い」(から)「通れはしません」ってのは理屈でわかるけど…。「弱い」ってのが、事前に人間観察でわかってればの話。

「胸を張って〜」は、事前に謎解きを歩がしてるからね。素直に信じられれば勝ち)

 

 

 

 

 

…ちょっと待て嬢ちゃん。(思わず浅月調)

 

 

 

「男の子は〜()」だとう!?あんた、婦女子でしょうに何故それを知ってる。

まさか、勘でこんな台詞が出るとは、お釈迦様でも思うまい。

それを考えてみると、歩の前にもそんな子が居たんじゃないかって気がしてくるよね。

 

 

――え?「そんな子って何か?」

そりゃもう、あれですよ。気になる子・気にしてる子・ちょっかいかけてる子。ひよの嬢が今現在、歩に対してするみたいに。

歩の入学以前にそんな子が居て、何でなんだか挫折したその子が、そこから強気に這い上がってくる様子か何かを見たことがあるとかさ。

ひよのちゃんの場合、じっと観察してなくても、眼が届く範囲の誰かに何か劇的な変化があれば気付くかも知れないけどさ。…でも、それじゃ最悪又聞きになっちゃうよねえ。

そんなのをあそこまで自信満々に言い切れるとは思えないんだよね。――自分は(だから、個人的予想)

 

 

 

そういうのが何も無かったのに、あんな台詞を言い切っちゃってるんだとしたら、それこそ「何者っ!?」て感じだけども。