SS(獄ツナ)

 

 

 

 

 

最後には守られてしまうのが、いつも嫌だったから。

精一杯の虚勢でもって、あの人に言った。

 

 

不肖、獄寺隼人。

10代目のためだけに生き

いつか、10代目のためだけに死ぬことを誓います。

 

 

その言葉に、ふっとあの人が笑う。

「…駄目だよ。隼人。」

そう言って。

広い広い机の上で、淡く。頬杖をついて。

室内を吹き抜ける、わずかな風にも揺れる柔らかな淡い色の髪。

 

 

「…駄目だよ、隼人。

前に、シャマルにも言われたでしょう?」                                                                   

 

ほの白い顔の、端整な口元を歪めて。

小さい子どもに諭すようにゆっくりと。

その瞳を見つめて、泣きそうになる。

 

 

「それに、俺を、部下一人守れないような、情けないボスにしないで。」